日鉄物流株式会社
鉄鋼製品をはじめとする重量物の海上・陸上輸送、港湾物流、自動車運送など、海外も含む総合物流サービスを提供。 |
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業界 |
物流 |
従業員数 |
グループ計 約7,900名(2025年4月1日) |
対象者 |
全社員 |
藤原 岳彦様 日鉄物流株式会社 総務部 部長代理 内部統制課長 山本 浩勝様 日鉄物流株式会社 総務部 内部統制課 主幹 矢崎 雅乃様 日鉄物流株式会社 総務部 内部統制課 |
事例概要
課題 | 成果 |
文字の多い資料では、研修に取り組むハードルが高く、理解度も深まらなかった |
コミックに切り替えたことで約9割の従業員から「わかりやすかった!」と好意的な声が上がるようになった |
課題 | 成果 |
研修後の理解度や定着度が追えていなかった |
理解度テストを導入したことで研修後の変化がデータでも追えるようになった |
課題 | 成果 |
現場で働く従業員が多いため、朝会でモニターを使い、集合研修で実施していた |
研修実施期間を1ヶ月と決め、個人の状況に合わせてパソコンやスマホでフレキシブルに受講が可能になった |
知識不足・理解不足がリスクにつながるからこそ、社員全員が正しい知識を持つことが大事。「研修に興味を持てる手法」として、コミック教材が最適だった
『コミックラーニング』導入の背景、課題について教えてください。
(総務部 内部統制課 主幹 山本様)
元々は、自分たちで3分動画を企画・作成して研修を実施していました。弊社は現場で働く従業員も多いため、朝会でモニターに写し、集合研修のスタイルで実施していたんです。その他にも、ポスターも掲示していましたが、「研修がマンネリ化している」という課題を抱えていました。
例えば「指導とパワハラの区別がつかない」「基準がわからない」という悩みは多くの管理職が抱える問題です。このような知識不足、理解不足が内部統制リスクにつながりますので、私たち社員自身が「どんなリスクがあるのかを知り、正しく理解して行動に移すこと」が最も大切だと考えています。
そのため「もっと社員に研修内容を浸透させるにはどうしたらいいんだろう…」と悩んでいたところ、ちょうど展示会で『コミックラーニング』のハラスメントをテーマにしたコミックに目が止まりました。
コミックなら、社員も興味を持って研修に取り組んでくれるのではないかと考え、思い切って導入することにしたんです。
—『コミックラーニング』導入時の役員・経営陣の反応はいかがでしたか?
「斬新でわかりやすい!」という意見が多かったですね。
一方で、私たちが研修で大切にしていることは「社員全員が、どんなリスクがあるのかを知り、正しく理解して、行動に移すこと」なので、「コミックだと研修として軽すぎるのでは?」という懸念の声もありました。
しかし実際に『コミックラーニング』で研修を始めると、社長をはじめとする経営陣もコミックを読んでくださっていますし、研修後に行う「理解度テスト」の感想を入力する箇所にもコメントを入れてくださるなど、現場だけでなく経営陣も含めて全社一丸となり、研修に取り組むことができています。
そして弊社はグループ会社も複数ありますので、自社の内部統制施策として「コミックで研修を実施している」と研修の取り組みについて、情報共有もしてくださっているようです。
社内の反応が良かったのは「情報漏洩」をテーマにしたコミック。メール攻撃訓練とセットで「いざという時」の正しい行動が周知できた
—『コミックラーニング』の成果はいかがでしたか?
(総務部 内部統制課 矢崎様)
弊社では2023年より『コミックラーニング』を導入して、現在で3年目になります。
今まで取り上げたテーマは、
・セクハラ・パワハラ・アルハラ(アルコールハラスメント)などのハラスメント関連
・メンタルヘルス、労務管理
・私的利得(横領)
・情報漏洩
…など、多岐に渡りますが、特に「内部統制リスクとして発生しうるもの」に関しては、しっかりと研修で取り扱う必要があると考えています。
9割方は前向きなコメントをいただいており、その中でも特に社内での反応が良かったテーマは「情報漏洩」のコミックですね。
弊社の情報管理部門では、定期的にメール攻撃の訓練を実施していますが、やはり複数名は引っかかってしまうケースが発生していました。
攻撃メールを開いてしまった時に、どのような事態に発展していくのか…など、その不注意から起こした行動が会社に及ぼす影響、重大性がなかなか伝わっていないことも課題でした。
しかし今回コミックで「情報漏洩」研修を行なった後の感想では
「巧みなメールがあり注意しないと、とんでもないことになると認識できた」
「日々、情報システムの認証方法が複雑になり、どこまで信じてやって良いのか不安になることもある。特に催促・督促に関するものは十分に注意して、慎重を期して対応をしたい」
などの内容が記入されており、日々の業務と紐付け、自分ごととして捉えてもらえたと感じます。
制作時はシナリオのどんでん返し・厳しい要望も出していたが、スピーディーな対応で希望に応えてくれた点は本当に良かった
—『コミックラーニング』の制作時のやりとりはいかがでしたか?
(総務部 内部統制課 矢崎様)
シナリオ作成時には、どんでん返しがあったり、無理難題をお伝えしていることも多いのですが、毎回その要望に応えてくれていると感じています。
現在「ハラスメント」のコミック教材を作成していますが、こちらも2〜3回打ち合わせをして「もっとこうしてほしい」と希望をお伝えしたところ、スピーディーに対応してくださり、ありがたいなと思っています。作画も「日鉄物流株式会社」であることがしっかり伝わるようになっていますし、コミック内での現場の再現描写も良いですね。
今後はさらに私たちの要望を実現していただくだけではなく、読み手がグッと惹きつけられるようなシナリオ内容を期待しています。
—改善点があれば教えていただけますか?
あまり思い浮かばないですが…そうですね、変更・修正の回数が限られていますので、私たちも「このタイミングで決めなきゃ、しっかり考えなきゃ」というプレッシャーが結構あります(笑)
もう1回ほど、変更・修正回数が増えると嬉しいですね。
「研修内容をしっかり定着させる」ことをめざし、今後も積極的にコミック教材での研修を検討中
—今後の研修についてはどのように計画されていますか?
(総務部 部長代理 内部統制課長 藤原様)
2025年はコミックを2本リリースする予定で、現在動いています。
毎回「理解度テスト」を実施するため、あまり回数が多いと研修を受ける社員にも負担がかかりますから、程よい回数で「しっかり研修内容を定着させる」ことに重きを置いて、進めていきたいと考えています。
2023年、2024年、2025年の研修を踏まえて、新しいテーマはもちろんですが、何度もやるべき研修テーマもありますので、その辺りを踏まえて次年度に向けた研修計画をブラッシュアップしていく予定です。
藤原様 山本様 矢崎様、取材にご協力頂きありがとうございました!
※本記事の掲載内容は全て取材時(2025年9月現在)の情報に基づいています。